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F-0023 警報器の電池だけは替えたいという手紙

相談窓口・お客様書面の写し

形式
letter
時期
2026-01
状態
完全
出所
復元 — 住宅用火災警報器のメーカー相談窓口に郵送で届いた書面の写しとされる。差出人の氏名と番地にあたる箇所は写しの段階で伏せられている。同封されていたという返信用封筒は写しに含まれていない。

// 本文

(メーカーの相談窓口に届いた書面の写しとされる。伏せ字は写しの段階のもの)

拝啓 寒い日が続きますが、みなさまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。突然のお手紙で失礼いたします。私は広島県尾道市に住んでおります◯◯◯◯と申します。おたくさまの火災警報器を長く使わせていただいております。

寝室の天井に付いているのは、型式◯◯◯◯という品です。保証書の控えから書き写しましたので、間違いないと思います。十年ほど前に娘夫婦が来まして、脚立を持ち込んで、台所とあわせて二つ、付けていってくれたものです。

年の暮れごろから、夜中に、ぴ、と短い音が鳴るようになりました。説明書を探して読みますと、電池が切れかかると鳴る音だとあります。ボタンを押せば点検ができるとも書いてありましたので、押してみますと、「正常です」と言いました。この声のことをお尋ねしたくて、この手紙を書いております。

はじめて押したとき、はて、どこかで聞いた声だと思いました。それから気になりまして、点検は月に一度で結構と説明書にはあるのに、週に一度になり、いまは朝と晩に一度ずつ押しています。「正常です」の声が、おととしの夏に亡くなった家内の声に、少しずつ似てきているのです。押すたびに、少し近くなるように思います。年寄りの気の迷いと言われればそれまでですし、こういう手紙がご迷惑なことも、よく分かっております。

正月に娘が帰ってきましたので、わけは言わずに、一度押してもらいました。娘は、ふつうの機械の声よ、どこもおかしくないよ、と言います。同じ部屋で並んで聞いていたのに、私にはその朝も、やはり家内の声に聞こえました。娘にはそれきり、この話はしていません。

家内は、しまいの一年をほとんど寝室で休んで過ごしました。天井のあの機械が、この家でいちばん近くで家内の声を聞いていたことになります。あとになって家の中を探しましたが、家内の声を録ったものは、ビデオにも電話にも、ひとつも残っていませんでした。写真はたくさんあるのですが。機械の苦手な人でしたので。

お尋ねしたいのは、次の二つです。一つは、この型の電池は、年寄りの素人にも取り替えられるものでしょうか。型番と、買える店を教えていただけると助かります。もう一つは、電池を新しくした場合、点検の声はいまのままでしょうか。それだけが心配で、夜中にあの短い音が鳴るたびに、電池より先に胸の方が縮みます。

説明書には、本体も十年をめどに取り替えるようにとあります。正直に申し上げますが、本体を替えるつもりはありません。火事を知らせる役目の方は、もう、鳴らないなら鳴らないで構わないのです。点検の声さえ、いまのままであれば、それで十分です。

勝手なことばかり書きました。お返事は急ぎません。切手を貼った封筒を同封しますので、電池のことだけでも、お知らせいただけると幸いです。寒さの折、みなさまどうぞご自愛ください。

敬具

追伸 一月◯日の夜中、押していないのに、一度だけ「正常です」と言いました。目が覚めていましたので、床の中で聞きました。あれはふだんの機械の声でした。家内ではありませんでした。それで、かえって安心して眠れました。こちらから押したときにだけ、家内なのだと、分かりましたので。

整理票

D-0004 うちの火災警報器はいい声で鳴ります

住警器点検控・家事記録突合/松戸

2025 年春頃 2026-06-01 [反復]

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