F-0019 品名の分からない忘れ物についての問い合わせ
霧野・応対記録の書き起こし
- 形式
- transcript
- 時期
- 2015-11-09(応対記録の受付日による)
- 状態
- 完全
- 出所
- 復元 — 鉄道事業者の応対品質確認用の書き起こしから写されたものとされる。氏名・連絡先にあたる箇所は写しの段階で伏せられ、注記は原記録のまま残る。
// 本文
(お忘れ物のお問い合わせ窓口にかかった通話の書き起こしとされる。注記は原記録のまま)
受付 2015年11月9日(月)16時台
係:お電話ありがとうございます。お忘れ物のお問い合わせ窓口でございます。
客:あ、すみません。今朝の忘れ物のことでお聞きしたくて。
係:かしこまりました。ご利用の駅と、おおよその時間帯をお願いいたします。
客:霧野駅です。朝の……七時五十分か、そのくらいです。八時にはなっていなかったと思います。
係:霧野駅、八時前ですね。お忘れ物のお品物は何でございますか。
客:それが、あの、はっきりしなくて。
係:ええと……お鞄、お傘、定期入れ、携帯電話——
客:ぜんぶ手元にあるんです。鞄も定期も財布も。会社に着いてから何度も確かめたので。
係:……と言いますと、お品物は。
客:分からないんです。改札を出たときから、何か落としたという感じだけが、ずっと取れなくて。[数秒の間] 変ですよね。すみません。
係:いえ。思い出せる範囲でけっこうです。今朝、いつもとお持ち物が違ったということはございませんか。
客:いつも通りでした。いつもの時間に家を出て、いつもの電車で。ただ、改札で音が二回鳴ったんです。
係:音、と申しますと。
客:通るときのあの音です。ピッていう。私一人しか通っていないのに、少しあとにもう一回鳴りました。振り返っても誰もいませんでした。駅の方に伺ったら、点検で重なることがあると。
係:さようでございますか。
客:機械のことは分かりませんから、そうなのかもしれません。ただ、その、そこからなんです。落とした感じがするのは。
係:[紙をめくる音] 本日、霧野駅からのお届け物は、手袋の片方がひとつ、お薬手帳がひとつ。お心当たりは。
客:手袋はしていません。お薬手帳は家にあります。
[数秒の間]
客:あの、こういうことって、あるんでしょうか。右手が軽いんです。朝からずっと。いつも何かこの手で持って歩いていた気がするんです。それが何だったか、どうしても出てこなくて。重さだけ覚えているんです。
係:[数秒の間] 重さ、でございますか。
客:持つというより、引いていたのかもしれません。分かりません。
係:お品物のお名前が分かりませんと、こちらもお調べのしようがございませんで。
客:そうですよね。
係:後日届く場合もございますので、お問い合わせの控えだけお作りいたします。本来はお品物のお名前でお受けするものですから、こういう形は、あまりないのですが。お名前とご連絡先をお願いいたします。
客:[氏名・連絡先のやり取りは略]
係:それでは、お品物は品名不明、一点で承ります。
客:一点。
係:はい。お届けがありましたらご連絡いたします。
客:[数秒の間] 届いたら、それが私のだって、どうやって分かるんでしょうか。
係:お引き取りの際に、ご特徴などを確認させていただきますので。
客:特徴。[小さく笑う] そうですよね。すみません、変な電話をしてしまって。ありがとうございました。
係:いえ。お電話ありがとうございました。
[通話終了]